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大人のための時代小説

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ショートショート書いてみました。
誰もが知っているあの話を艶話にしてみました。短いので気軽に愉しんでください。

艶話 浦島太郎
   
艶話 鶴の恩返し

艶話 天女の羽衣

艶話 桃太郎 

艶話 山の神



       ショートショート 艶話 浦島太郎 乙姫が夜伽の相手を探しに亀を使いにやる話

「ちっ、今日は雑魚しか釣れなかったな~」
漁から帰った太郎が夕暮れの浜辺を歩いていると松林から人の気配がする。
複数の男の声に混じって聞こえる若い女の声に太郎の足が止まった。
穏やかならぬ気配を察知してそっと近づいてみると、三人の男どもが一人の女を取り囲んでいる。

「こんなとこでご馳走に出会えるとはな」
「ああ、ついてるぜ。着ている着物も高く売れるんじゃねぇか」
野卑な言葉を浴びせているのは札付きのゴロツキ共だ。
近づいてきた太郎にも気づかず男たちは女に今にも襲い掛かろうとしている。

「俺から行くからよ。」
年長の男が声をかけると他の二人が怯える女の体を押さえ込み
おもむろに着物をたくし上げた。
「口抑えとけ、声立てられるとまずい」
「う、うぐぅ」
口に手ぬぐいを当てられ女はくぐもった声を上げるが
三人がかりで押えこまれてはどうにもならない。
「もっとめくれよ」
男たちは楽しそうに女の着物の裾を捲り上げ
透けるように白い腿をむき出しにした。
「おお~すげぇ、こっちも上等だ」
開いた足のあいだを覗き込み、年長の男が言った。
「んんん!!ぁぁ・・」
嫌がる女をよそに残りの男たちの目も釘付けだ。
「ああ、兄貴、早くやっちまおうぜ」
押さえている男達が堪らず、着物に手を突っ込み柔らかい肉を撫でまわし始める。
「うう~・・・うんんん・・」
女の声は艶かしく響き、さらに男たちの欲情を誘う。
「濡れてんじゃねぇのか?いい声出しやがって」
年長の男が褌を外し、臨戦態勢に入ったそのときだ。
「ゴッ」
鈍い音がしたかと思うと年長の男が白目を剥いて女の上に倒れこんだ。
握りこぶしほどの石がそこに転がった。
「なんだ??誰だ!!」
振り向いた男達が見たのは腰蓑をつけて釣竿を持った太郎その人だった。
「何しやがんだ!!野郎、やんのか??」
ご馳走を目の前にお預けをくらった男達は憤怒の表情でいきがった。
「いや、困った人を見たら放っておくなっていうのが先祖の遺言で」
太郎はとぼけた表情で答えた。
「ふざけた野郎だ、ヤッちまえ!!」
手足を押さえていた男二人が、太郎に向かってきた。
太郎はひとりの男の腹に釣竿の手元側を思い切り突き入れ、
二つ折になった背中に肘を体ごと落とした。
「おりゃぁ!!!」
太郎が体を立直す前にもうひとりの男が、木刀を振り下ろしてきた。
だが振り下ろされたのは仲間の男の背中だった。
素早く身を躱した太郎にはかすりもしない。
「漁師を甘く見ちゃいけねぇぜ」
太郎が、隆々とした力こぶを見せ身構えるとさすがにゴロツキ達は腰が引けた。
「ちくしょう!!誰だ?てめえは!」
「俺ぁ、太郎、浦島太郎だ」
「いっ?あの浦島太郎か・・・畜生!覚えてろよ!」
暴れん坊の浦島太郎の名前を知らないものはいなかった。
フラフラと目を覚ました年長の男を連れて男たちは這々の体で逃げ出した。


「危ないところをありがとうございました。」
女が見繕いを整えながら太郎に礼を言った。
「ん?どっちかってぇと・・邪魔したんじゃねぇのかい?」
男を誘っているようにも見えたんだが・・・と言いそうになった太郎だが、
さすがにそれは無神経すぎると飲み込んだ。
本当はもっと早く助けることができたのだが、思わず見惚れて勃ってしまったのだった。
女は見れば見るほど美しい顔立ちで、どこか浮世離れをしていた。
上等な着物や身のこなしは高貴な身分を思わせる。
(こんないい女もいやらしいものがついてんだな)
若い太郎には先ほど見た女の太股の奥が頭にこびりついて離れない。
まともに見ているとまた勃ってしまいそうだ。
だがここで同じように女を襲っては名が廃るってものだ。
「まぁ、いいや。お前さん、こんなところでひとりで歩いていたら襲ってくれって言ってんのと同じだぜ」
「連れとはぐれてしまいました。今夜一晩どうかあなたのお部屋に泊めていただけないでしょうか」
心細い女に付け入るようで気は引けるが、これを断るやつは男とは言わない。
「俺ぁ男の一人暮らしなんだけどいいのか?」
「はい。よろしくお願いします」
浦島太郎はわずかな魚籠の中身とともに綺麗な女をお持ち帰りすることになった。
女は名を「亀」と言った。
若い男と綺麗な女・・・
あばら屋に布団はひとつ。
「太郎様、私にはお礼の持ち合わせがありません。
失礼かと存じますが私を夜伽のお供にしていただけませぬか?」
恥ずかしそうに顔を伏せながら亀は太郎の前で三つ指をついた。
あまりに都合のいい成り行きに太郎は夢見心地だ。。
亀は襦袢姿になり髪を解き、太郎の腕の横に滑り込んできた。
(明日は漁は休みだな)
太郎は亀の濡れた唇をやさしく吸った。。
momo3.jpg

「おい!太郎、起きろ」
どれくらい眠ったろう。向かいの五助の声に起こされた。
「ん?今なんどきだ?亀は?」
「昼だ、昼。亀ってのは、お前の腹の下に垂れてるやつか?」
「いや、そうじゃなくて・・・夢だったかな?」
あたりを見回したが女の姿はない。
「太郎よ。お前ゆんべ夜鷹引き込んだのか?すげぇいい声で鳴くからよ
俺眠れなくて、今日漁に出られなかったじゃないか」
「そうか・・・夢じゃなかったのか。」
「女はけぇったのかい?朝までやってたんじゃないのか」
「そのようだな。」
「何がそのようだ、一人だけいい思いしやがって。いい女か?どこの夜鷹だ?」
五助の問いには答えず太郎は女の痕跡を探した。
煎餅布団には太郎が一晩中に出した粟の花の匂いが充満して壮絶な夢のあとを残していた。
「いて・・・」
気が付けば全身が泥のように甘怠く腰が抜けそうだ。
蕩けるような女の体に幾度果てたことだろう。
太郎はふと自分の指先を嗅いでみた。
微かな甘酸っぱい残り香が淫らな記憶を呼び覚ました。
「すげぇいい女だったな。上品な顔してあんなに腰使ってよ・・・思い出したら勃ってきた」
亀はいなくなったが、太郎の亀は元気だった。
「もう会えねぇのかな」

幾日か過ぎた朝、太郎が漁に行こうと家を出ると
海のほうから行列ほどの従者を伴ってやってきたのは件の「亀」だった。
「太郎様、先日はありがとうございました。」
亀は丁寧に頭を下げた。
「太郎様があまりにも気持ちよくお休みで、黙っておいとましました。
私どもの主に話しましたところ、ぜひお招きしてお礼がしたいと。
どうか太郎様、私といらしてくださいませ」
亀が主とやらにどんな話をしたのか気になるところだが、
断る理由もなく太郎はそのまま亀とともに、迎えのたいそう立派な船に乗った。

「ようこそ太郎様。私が主の乙姫でございます。
このたびは私どもの亀がお世話になりました。
心ばかりの宴を設けましたのでどうか愉しんでいってください」
煌くばかりの竜宮の門をくぐった太郎は絶世の美女、乙姫の歓迎を受けた。
美しい女たちが舞い踊り、出される料理や酒は今まで太郎が口にしたことのないような美味で珍しいものばかりだった。
「こりゃぁ、やっぱり夢かもしんねぇな。」
ならばと太郎は夢を愉しむことにした。
酒宴の後は乙姫がやってきて体の線が浮き出るような薄い衣を纏い太郎を床に誘った。
ここの料理には何か特別な効き目があるのだろう。
太郎は疲れを知らず、美しい乙姫が太郎の腹の下で半狂乱になるのを眺めた。
さて、竜宮には昼と夜の境がなく
どのくらいの酒池肉林が続いたのか定かではない。
十日は過ぎたろうかと思うころに太郎が乙姫に尋ねた。
「姫さん、接待なら十分受けた。そろそろ俺も帰る時期じゃないんですかい?」
「ああ、太郎様。そうおっしゃらずに、ずっといらしてくださいませ。」
乙姫が項垂れかかってよよと泣き崩れる。
美しい女、美味しい料理、不自由のない生活
ここにはすべてがそろっていた。・・・が・・・
「姫さん、夜伽の相手ならもっとすごい男がいます。五助といいます。
持ち物もすげぇし、絶倫です。無類の女好きですがいい男です。」
太郎は毅然と言い放った。
姫は黙って聞いていたが、
「わかりました。お引止めしてすみません。それでは亀に送らせましょう。」
太郎は懐かしい村の浜辺に戻ることができた。
亀はおそらくあの日、太郎の住む世界に姫の夜伽の相手を探しに来たのに違いなかった。
「それでは太郎様、私はこれで」
「なぁ、亀。俺ぁあんたが迎えに来たから行ったんだぜ」
「え?」
太郎は亀を振り返らせて、従者に聞こえないように、なにやらささやいた。
亀は一瞬躊躇して太郎の顔をまじまじ見上げたが、狼狽を隠すように何も言わず去っていった。


五助が走りよってきた。
「おめぇ、どうしたんだ1年も行方くらまして!?」
どうやら竜宮とこちらの世界では時間の進み具合が違うようだ。
「何ちょっと野暮用で。そういやおめぇいい女と死ぬほどやってみてぇって言ってたな」
「ああ、それがどうしたい?」
「いや、そのうちいいことがあるからよ」
五助の肩をポンポンッとたたいて太郎は我が家にの木戸をくぐった。
数日後、五助は忽然と姿を消した。。

一年が過ぎた。
竜宮のことも五助のことももう遠い夢のようだった。
太郎は小さな船で釣り糸を垂れぼんやりと水平線を見ていた。
水平線の向うからあの立派な船がまたやってくるような気がした。
「まぁ、俺はいきゃしねぇがよ」
誰にともなくつぶやく太郎だった。

三年が過ぎた。
太郎はまだ嫁をもらわずにいた。
「ちっ今日も釣れねぇや」
帰りがけの松林に人影が見えた。
「まさか・・・」
走り寄るとそこにはあの時と変わらぬ美しい亀がいた。
「太郎様・・・」
「五助は元気にやってるか?」
「はい。あちらの暮らしがお気に入りの様子です。
それに、乙姫様もたいそう五助様を気に入られました。」
「そいつぁよかった。あっちだけはすげぇからな。うってつけだ。
・・・それでおめぇは?」
「はい。暇乞いをしてまいりました。」
「本当か?」
太郎は思わず亀の手を取った。
「はい。でも太郎様。この世界ではあなた同様私もまた歳を取ります。
いつまでもこのままではいられませぬ」
「そりゃ俺だって一緒だろう?いいよ婆ぁになっても抱いてやる。
俺のそばにいてくれ。おれは亀がいいんだ」
たった一夜の契りで恋仲になった二人だった。
「太郎様・・・」
亀は涙を浮かべながら目を閉じた。
太郎は花びらのように開いた唇に唇を重ねながら亀を強く抱きしめた。

どの世界に生きても男と女
五助は向うで不自由なく幸せに暮らすだろう。
おれはしがない漁師のままだが
亀がいればここも悪くない。
あんな結構な世界を捨てて俺のところに来てくれた亀だ。
今夜はうんと可愛がってやろう。

  めでたしめでたし(^^)


艶話 鶴の恩返し





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